💰労働条件・給与

時間外労働とは?働き方改革で変わる残業の基礎知識

読み:じかんがいろうどう

残業の定義と働き方改革
8 views時間外労働

時間外労働とは

時間外労働とは、労働基準法で定められた法定労働時間(原則として1日8時間、1週40時間)を超えて労働することを指します。一般的に「残業」と呼ばれるものとほぼ同義ですが、労働基準法上の正確な用語が「時間外労働」です。企業は、労働者と「36(サブロク)協定」と呼ばれる時間外労働・休日労働に関する協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることによって初めて、法定労働時間を超えて労働させることが可能になります。

この36協定には、時間外労働の上限時間や、対象となる業務、期間などが明記されています。もし36協定が締結されていない、あるいは協定で定められた上限時間を超えて労働を命じられた場合、それは違法な労働となります。時間外労働には、通常の賃金に加えて割増賃金が支払われることが義務付けられており、その割増率は労働基準法によって定められています。

なぜ今、話題なの?

時間外労働が近年特に注目される理由は、主に「働き方改革関連法」による法改正と、それによる労働環境の変化が挙げられます。2019年4月から順次施行されたこの法律により、時間外労働の上限規制が設けられ、違反した企業には罰則が科されるようになりました。これにより、以前は事実上青天井だった残業時間に対し、明確な上限が設定されたのです。

具体的には、原則として月45時間、年360時間が上限とされ、臨時的な特別な事情がある場合でも、年720時間以内、複数月平均80時間以内、月100時間未満という厳しい規制が導入されました。この法改正は、長時間労働の是正と、労働者の健康確保を目的としています。企業側も、残業時間の削減や業務効率化に本腰を入れる必要に迫られ、労働者側も自身の労働時間に対する意識が高まっています。

また、コロナ禍を経てリモートワークが普及したことも、時間外労働の管理をより複雑にし、労働時間と業務成果のバランスを見直すきっかけとなっています。労働者にとっては、自身の働き方を見つめ直し、ワークライフバランスを重視した転職を検討する上で、時間外労働の知識は不可欠な要素となっています。

どこで使われている?

時間外労働という概念は、あらゆる業界・業種の企業で適用される労働基準法の根幹をなすものです。特に、以下のような場面でこの知識が重要となります。

* 給与明細の確認時: 自身の給与明細に記載されている「時間外手当」や「残業代」が正しく計算されているかを確認する際に、時間外労働の定義や割増率の知識が役立ちます。

* 労働契約や就業規則の確認時: 入社時や転職活動中に、企業の労働条件通知書や就業規則で、36協定の有無や時間外労働に関する規定を確認する際に必要です。

* 労働時間に関する疑問や不満がある場合: 自身の残業時間が法定の上限を超えているのではないか、あるいは正当な残業代が支払われていないのではないかと感じた際に、問題提起や相談をする上での根拠となります。

* 転職活動時: 求人情報に記載されている「残業時間」の目安を評価する際や、面接で企業の残業に関する方針を質問する際に、この知識を背景に具体的な質問を組み立てることができます。例えば、「御社の36協定における時間外労働の上限はどのようになっていますか?」といった質問は、企業の労働環境への意識を測る良い指標となります。

覚えておくポイント

転職を検討している、または現在の労働環境に疑問を持っている20〜40代のビジネスパーソンが時間外労働に関して覚えておくべきポイントは以下の通りです。

1. 法定労働時間と36協定: 原則として1日8時間、1週40時間を超える労働は「時間外労働」であり、企業は36協定の締結・届出なしには労働者に時間外労働を命じることはできません。自身の会社に36協定があるか、内容はどうなっているかを確認しましょう。

2. 時間外労働の上限規制: 働き方改革により、時間外労働には原則月45時間、年360時間の上限が設けられました。これを超える労働は、特別な事情がない限り違法です。自身の残業時間がこの上限を超えていないか常に意識することが重要です。

3. 割増賃金: 時間外労働には、通常の賃金に加えて25%以上の割増賃金が支払われます。深夜労働(午後10時から午前5時)や休日労働には、さらに高い割増率が適用されます。自身の残業代が正しく計算されているか確認しましょう。

4. サービス残業は違法: 労働時間として記録されない、または賃金が支払われない「サービス残業」は、労働基準法違反です。もしサービス残業を強いられている場合は、労働基準監督署や弁護士などの専門機関に相談することを検討してください。

5. 労働時間の記録: 自身の労働時間を正確に記録しておくことは、万が一のトラブル時に自身の権利を守る上で非常に重要です。タイムカードやPCのログだけでなく、個人的な記録も残しておくことをお勧めします。

時間外労働に関する正しい知識を持つことは、自身の働き方を守り、より良いキャリアを築くための第一歩です。転職を考える際には、企業の時間外労働に関する方針や実態をしっかりと確認し、自身のワークライフバランスに合った職場を選ぶことが大切です。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の転職サービスや企業の推奨を行うものではありません。転職活動や退職に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。