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特定派遣とは?廃止された制度が示す労働市場の変化

読み:とくていはけん

廃止された派遣制度の解説
117 views特定派遣

特定派遣とは

特定派遣とは、かつて存在した労働者派遣事業の一形態です。一般労働者派遣(登録型派遣)とは異なり、派遣会社と雇用契約を結んだ正社員や契約社員が、その派遣会社から別の企業へ派遣される仕組みでした。つまり、派遣元企業に常用雇用されている労働者が、派遣先の企業で業務を行う形式です。

この制度の大きな特徴は、派遣元企業が常用雇用する労働者を派遣するため、比較的雇用の安定性が高いとされていました。派遣期間が終了しても、派遣元企業との雇用関係は継続するため、次の派遣先が見つかるまでの間も給与が支払われるのが一般的でした。専門性の高いスキルを持つ人材が特定派遣として活躍するケースも多く見られました。

なぜ今、話題なの?

特定派遣という言葉が今、話題になるのは、この制度が2015年の労働者派遣法改正によって廃止されたためです。2015年9月30日以降、特定派遣事業は「労働者派遣事業」に一本化され、すべての派遣会社が厚生労働大臣の許可を得る「許可制」に移行しました。それまでの特定派遣事業は「届出制」であり、許可制の一般労働者派遣事業とは異なる規制が適用されていました。

この制度変更の背景には、派遣労働者の保護強化と、派遣事業の健全化を図る目的がありました。特に、派遣労働者のキャリアアップ支援や、雇用の安定化が求められる中で、届出制であった特定派遣の仕組みが見直された形です。これにより、派遣元企業には、派遣労働者に対するキャリアコンサルティングの実施や、教育訓練の機会提供などが義務付けられるようになりました。

どこで使われていた?

特定派遣は、主にITエンジニアや研究開発職、設計職など、専門性の高い分野で多く活用されていました。これらの職種では、特定のプロジェクト期間だけ専門家が必要とされるケースが多く、企業が直接雇用するよりも、専門人材を抱える派遣会社から派遣してもらう方が効率的とされていました。

派遣労働者は、派遣元企業に常用雇用されているため、派遣先が変わっても安定した収入を得られるというメリットがありました。また、様々な企業のプロジェクトに参画することで、幅広い経験を積み、スキルアップを図ることも可能でした。しかし、派遣先企業での正社員化の道が限定的であることや、派遣先での待遇が派遣元企業の雇用形態に左右されるといった課題も指摘されていました。

覚えておくポイント

転職を検討している20〜40代のビジネスパーソンが特定派遣について覚えておくべきポイントは以下の通りです。

1. 制度はすでに廃止されている:特定派遣という制度は現在存在しません。2015年以降、すべての派遣事業は「許可制」に一本化されています。もし「特定派遣」という言葉を耳にすることがあれば、それは過去の制度について言及しているか、あるいは誤った情報である可能性が高いです。

2. 現在の派遣制度の理解:現在の労働者派遣事業では、派遣元企業は派遣労働者のキャリア形成支援や、教育訓練の実施が義務付けられています。派遣で働くことを検討する際は、派遣会社のサポート体制や、キャリアパスについてしっかりと確認することが重要です。

3. 雇用の安定性への意識:特定派遣が廃止された背景には、派遣労働者の雇用の安定化という目的がありました。現在、派遣で働く場合も、派遣元企業との雇用契約(常用型派遣か登録型派遣か)や、派遣期間、正社員登用の可能性などを事前に確認し、自身のキャリアプランに合致するかを慎重に検討しましょう。特に常用型派遣(無期雇用派遣)であれば、比較的安定した雇用形態で働くことが可能です。

労働市場は常に変化しています。過去の制度や現在の仕組みを正しく理解し、自身のキャリア選択に役立てることが、後悔のない転職活動につながります。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の転職サービスや企業の推奨を行うものではありません。転職活動や退職に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。